高橋です。
久しぶりの施術記録です。
施術記録をつける時間がどんどん減っております。
テスト勉強をしているからです。
しかし今回はひとりの受術者に大きなピリオドがあったので記録を残しておきます。
20代女性 精神障害2級
15年間の精神病 欝から抜け出して、ついに
アルバイトを始めました。
すごい。
凄すぎる。
彼女がうちに来たのは11月か12月だったかと思います。
1〜10で苦しみの度合いを聞くのですが、
初回は9.5
ちなみに9という数字は彼女にとって
「何かきっかけがあれば自傷、自殺の為の行動を起こしたい」
状態との事。
ようするに、何かあればもう今にも死にたい気持ちでなんとかうちまで来たわけです。
半分冗談ですが半分は冗談ではなく、
おそらく道に迷いでもしていたら自殺していたのかも知れないという事でしょう。
ちなみに乖離があるので自転車も乗れない。
そんな彼女
これが施術後には6になり、
6=「ちょっとした外出くらいならできる」
しかし一週間で効果は切れて
翌週には8に。
施術後にはまた6に。
翌週には8とか8.5
こんな状態を1ヶ月程繰り返しました。
中々5にはならないなーと思ったので
彼女に聞いてみました。
「あなたにとって5はどういう状態?」
彼女は答えます。
それは
「働ける状態」
との事。
そう。
彼女は普通に働きたいのです。
働きたくない人が多いこの時代になんと慎ましい願いなのでしょう。
ところが彼女は多量の精神安定剤や睡眠剤を飲んでいるので、
自分の意志では起きるのは至難です。
2時間で起きてしまう時もあれば
12時間以上起きれない時もあるという。
(睡眠薬経験者にはよくわかるはず。難しいよね。全然効かなかったりね。)
決められた時間の仕事を行うのはとても難しいと言えるでしょう。
さらに3週間が経ち、彼女は6を維持できる状態になってきました。
死にたいと言わなくなり、
母親への暴言もなくなりました。
(それまでは毎日のように喧嘩→クソババアなどの言葉)
そして、無根拠な自己否定も減ってきました。
それで
高橋考えた。
最初は小さめのハードルを設定しましょうよと。。
それは
自分で決めた時間に
図書館に通う事。
幸いにも読書が大好きな彼女。
図書館に通って本を読む。
これなら
見聞も広がるし自信もつくし。
めっちゃいいんじゃない。
いいんじゃないナイスアイデア僕。
彼女は週に2回図書館に行く課題を自身に設け、
僕の家をあとにします。
しかし翌週はあいにくの雪。
雪は、彼女の決めた「勤務日」を襲いました。
さらにもう一日は運悪く「休館日」
次の日にあった彼女は6.5でした。
久しぶりに6を超えました。
ううむ。
そして先週。
彼女はついに図書館を攻略します。
週に2回の図書館を攻略したのです。
いやあよかった。
ついに彼女は自分の苦しみ度数を
5.8としました。
6を下回る事に成功したのです。
そして今週はどうなっているんだろうと思うと
なんと
ケーキの工場で働いていたのです・・・・!!!
13才からの欝による引きこもりからの
脱却・・・!?
ていうか働いてたらもう俺よりすごいんじゃ・・・・!
ちなみに今週の数値は
5.5。
どうやら彼女にとってこの数字は
自分がどれだけ「普通」に近づけたかの数値でもあるようです。
次の目標は3ヶ月働く事。
と目をキラキラさせる彼女はすでに初回の施術の時とは別人。
これからもっとよくなっていきますように!!
【施術解説】
精神疾患を持っている人は、首、肩に強い緊張を抱えている事が多いです。
この写真でもわかるように、腕が上がっていません。
腕は90度までは肩の関節だけで動きますが、それより上に上げるには
沢山の筋肉を動かさなければなりません。
肩甲骨、脊柱起立筋、あるいは広背筋や僧帽筋が緊張していると、
腕はあげる事ができません。
実際彼女の起立筋は(背骨沿いにある筋肉)固く緊張しており、
親指でマッサージするように体重を載せていっても指が沈みません。
乳様突起(首の凹み)
ヤコビー線も斜めにズレていました。
では、それの何がいけないのか。
まず、筋肉がカタいと何がいけないのでしょうか。
そもそも筋肉は何故固くなるのでしょうか。
一般に
筋肉は緊張すると固くなります。
あと疲れると固くなります。
スポーツの場合は疲労物質が溜まっているのです。
これはわかりやすいですね。
しかし、運動してない人でも固くなります。
いわゆるコリです。
何故でしょう。
それは、疲労した神経を守る為に筋肉自らが硬質化したのです。
そして背中が凝っている彼女。
首から背中は全身の神経が通っており、
ここから各内臓に神経が伸びていきます。
そして東洋医学では感情は脳にありません。
感情は五臓が司ると考えられているのです。
肝臓 怒り
心臓 喜び
脾臓 思い
肺 悲しみ 憂い
腎臓 恐れ
です。
生理学的にみれば、神経は背骨を通ります。
そして五臓へ。
東洋医学的に見れば、
五臓は五心を支配します。
首、肩、背中が硬い=神経の弱っているサイン
神経の元=視床下部
ようするに僕は
西洋医学と東洋医学の両方の観点から彼女の状態を見たのです。
視床下部ってお前脳みそど真ん中じゃねえかそんなとこどうやっていじるんだ。
と言われそうですが、その為に経絡、ツボがあるのです。
間接的に視床下部を刺激するツボを触るのです。
なんのこっちゃいと言われそうですが結果、彼女の動きは変わります。
腕が上がったのはもちろん、
胸が前に出て、背中が反って綺麗なS字を描いています。
上の写真と見比べると、まるまっていた背中がピンと反ったのが確認できます。
あと何故か痩せました。
スリムになったようです。
女性らしいラインが際立つようになってきました。
なぜかはわかりません。
さて、しんろく整体。
水木土日は大体やっております。
学生なので初回は無料です。
治療者と患者、などという角ばった関係ではなく
一緒に健康と身体について考えるパートナーになりたいと思っています。
お体に不安のある方はどうぞご一報くださいませ。
しんろくでした。