近所にかなちゃんという子が住んでいたんです。
中学の時に一番仲良かった彼女こそ、
高橋の中二病の全てでした。
ふかふかまんまるカナちゃんは
多分少しイジメられていて、
友達のいない僕と一緒に
ルーン文字の文通をしたりしていたんです。
もう一文字も思い出せない。
19かそこらでかなちゃんは母になったと聞きました。
僕はまだ中二病で
金山の駅で
尾崎豊を弾き語りしたりしていました。
そんなカナちゃんから、
こないだ連絡が届きました。
子供が増え、
母ひとり。
北海道にいるそうです。
彼女の最初の子は
もう12になるわけです。
僕は31になりましたが、
いまも何かを患っていて、
東京に棲んでいます。
ごめんねかなちゃん。
あの時くだいたお菓子のパッケージは、
最初から落としてひびが入ってたのです。
僕が超絶腕力があったわけではないのです。
最初から割れていたのです。
高橋でした。